コンデンスミルクの製造
コンデンスミルク(加糖練乳)は保存料の働きをする砂糖が加えられた濃縮ミルクです。包装後に高温殺菌されるエバミルク(無糖練乳)とは異なります。一般的にコンデンスミルクは脂肪分約8%、砂糖45%、無脂肪固形分20%となっています。最終製品は主に製菓、チョコレート製造に使用されます。
プロセス
これまで一般的にコンデンスミルクは全乳に砂糖を加え、蒸発脱水をして製造されてきました。(図表1参照) しかし最近では牛乳または水にスキムミルクパウダー、バターオイル、砂糖の固形分を加える方法が普及してきています。加える量によっては蒸発脱水の工程が短縮、あるいは省かれることがあります。(図表2参照)
課題
工程ではいくつかの課題が発生します:
- スキムミルクパウダーや全乳粉は凝集性が高いために液と混ざり合いにくく、取扱いや定量投入の制御が難しい
- 液に粉体を投入すると凝集し、アジテーターではこの凝集体を分解するための効率的な剪断がかけられない
- アジテーターでは高濃度の砂糖を溶解するのに長い時間がかかる
- 凝集なく均一に分散させるために高圧ホモジナイザーが必要な場合がある
ソリューション
シルバーソンミキサーならこれらの課題に対処することができます。ほとんどの場合、砂糖はタンクへ直接投入され、下記に示されているようにシルバーソン バッチ型ミキサーで分散、あるいはシンプルなアジテーターを併用したインライン型ミキサーで処理ができます。ワークヘッドのローター/ステーターの剪断作用によって溶解が促進されます。ミルクパウダーを同様に加えることができます。大き処理量ではフラッシュミックス粉体/液体混合システムを利用することができます。
上述のメリットはローターとステーターでの次の3段階の混合と剪断の作業によって作 リ出されます:
Stage 1
ローターブレードの高速回転によって強力な吸引 が生まれ、ミルクと砂糖/ミルクパウダーがワークヘッド内に引き込まれます。
Stage 2
遠心力によって材料がワークヘッドの外側へ押し出され、ローターとステーター内壁の間のクリアランスで粉砕効果がかけられます。ミルクパウダーの中の凝集体が分解され、粉体がミルク内に分散させられます。
Stage 3
材料はステーターを通して押し出され、同時に新しい材料が連続的にワークヘッド内に引き込まれます。短時間の循環で全ての材料がワークヘッドを通過し、砂糖の粒子サイズが小さくなりながら液中で混ぜられ、溶解が促進されます。
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Stage 1
Stage 1
ローターブレードの高速回転によって強力な吸引 が生まれ、ミルクと砂糖/ミルクパウダーがワークヘッド内に引き込まれます。
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Stage 2
Stage 2
遠心力によって材料がワークヘッドの外側へ押し出され、ローターとステーター内壁の間のクリアランスで粉砕効果がかけられます。ミルクパウダーの中の凝集体が分解され、粉体がミルク内に分散させられます。
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Stage 3
Stage 3
材料はステーターを通して押し出され、同時に新しい材料が連続的にワークヘッド内に引き込まれます。短時間の循環で全ての材料がワークヘッドを通過し、砂糖の粒子サイズが小さくなりながら液中で混ぜられ、溶解が促進されます。
メリット
- 凝集のないミルクパウダーの分散
- 安定した予備混合により、均質化工程時間を短縮また高圧ホモジナイザーでの作業を省くことが可能
- 混合時間の大幅な短縮
- 強力剪断混合により固形分比率の高い混合ができ、蒸発脱水の工程を省くことが可能
- 粒子細分化と強力な混合の組み合わせによって砂糖の分解が促進される
インライン型ハイシアミキサー
- 大きな処理量に対応
- 既存の設備への取り付けが容易
- 粉体を液中に取り込むための効率的なタンク内アジテーターを併用
- 空気の混入がない
- セルフポンプ効果
- タンクの内容物の移送が可能
- 高サニタリーモデルあり
フラッシュミックス
- 大きな処理量に対応
- すばやく大量の粉体を投入することが可能
- 砂糖を直接タンクに投入が可能インラインミキサーを経由した循環によって溶解が促進
- 空気の混入が少ない
- 洗浄が容易
- 制御された定量の粉体投入
- 操作が容易
- 高粘度液の処理に対応
- 従来よりも高温度での処理に対応