カビ毒テストの前処理
アフラトキシンはピスタチオ、ピーナッツ、シリアル、ドライフルーツなどの食品に発生する様々な種類のカビによって生成されるカビ毒です。このリポートの情報は他のマイコトキシンやオクラトキシン(カビ毒)の検査にも役立てることができます。
この毒に対して各国で厳しい検出基準が設けられており、一般的に5ppb以下(日本では0.01ppm=10ppb以下)とされています。多くの場合、サンプリングや検査の方法は各国で法的に定められているものの、検体の事前処理の方法については明確な基準が定められていないのが現状です。例えばヨーロッパの検査ガイドラインでは、『完全に均質に混ざり合うことが実証された方法で各検体を細かくすりつぶし、十分に混ぜること』(*)となっています。
複数の関係機関による実験において、検体の処理では乾式粉砕よりもスラリー化することが多くの点で有利であることが実証されました。この検証ではシルバーソンハイシアミキサーが使用され、複数回の検体処理のおいて、乾式粉砕よりもスラリー処理のほうがアフラトキシン(カビ毒)の含有量サンプリングでより平均的で正確な数値が得られることが確認されました。現在、複数の国で検体の処理方法の標準としてシルバーソンミキサーが使用されています。
*European Commission Directive 98/53/EC
プロセス
前述のとおり、検体の処理方法が明確に定められていないところでは、処理の方法や使用する器具や機器によって検体準備(や対象物の抽出)の効率や精度にばらつきが生じてしまいます。
検査対象物によって検体の量も異なります。場合によってはサンプリング量が30~40kgになることもあります。
課題
検体の事前処理にはいくつかの課題があります:
- 正確で再現性のある結果を得るためには、抽出の前に検体が効率的で効果的に細分化し均質化されている必要がある
- 特に試験室レベルの小スケールなど特定の固形分解では検証するのが難しく、バッチによるばらつきが生じやすくなる
- 粉砕用の器具・機器は清掃や手入れが難しく、コンタミや衛生管理の問題が生じる可能性がある
- 前項のフローで示されているように抽出方法には複数あり、安定して検証するのが難しくなる
- 乾式粉砕は発熱を伴う
- 水程度から高粘度スラリーまでさまざまな粘度になる
ソリューション
検体の処理では乾式粉砕よりもシルバーソンハイシアミキサーなどを使ってスラリー化することが多くの点で有利であることが実証されています:
- CV(変動係数)が最も小さい
- 粒子サイズをより小さくすることが可能
- 検体をより均質化することができる
- 幅広い粘度に対応することができる
- 幅広い粒子サイズに対応することができる
シルバーソンのワークヘッドのミキシング作業により、バッチ間のばらつきがなく、効 率よく安定した結果が得られます。ローターとステーターの動作原理:
Stage 1
ローターがワークヘッド内で高速回転し、その強力な吸引効果によって材料である液体や固体がヘッドの下側から吸い込まれます。
Stage 2
ヘッド内に引き込まれた溶液はローターの回転で生まれる遠心力によってヘッド外周に向かって振り出され、この時ローターの先端とステーター内縁の精密なクリアランスによって剪断作用が働きます。
Stage 3
固形分は液体と共にステーターの外に振リ出されます。タンク内の液全体が素早く循環し、ワークヘッドを通って段階的に粒子が細分化され、最終的に完全に均一な溶液が作り出されます。
メリット
- 清掃・手入れが容易
- 工程時間の大幅な短縮
- 試験室用ミキサーでの検証でスケールアップ時の効果や能力など正確な予備情報が得られる
シルバーソンはこうした作業に適した試験室用ミキサーから生産用ミキサーまで製造しています:
試験室用ミキサー
- 3kg程度までの試料に対応
- この作業には2連型分解ワークヘッドが最適; 他にも交
換可能な複数のワークヘッドがあり、このミキサーを使って試験室での乳化・混合・分散など幅広い作業を行うことが可能 - 回転速度計、電流計など複数の計器類のオプションがあり、その他プリンターやデーターベースシステム、コンピューター制御装置への接続も可能