応用例
清涼飲料水の製造 - 甘味シロップの調製
炭酸飲料や非炭酸清涼飲料の糖分は、RTD飲料であるか濃縮液(またはシロップ)であるかによって大きく異なります。
一般的には香味料や濃縮果汁、pH調整剤、保存料、安定剤、酸化防止剤、着色剤なども材料に含まれています。
”ダイエット”飲料や”ノーシュガー”飲料には、砂糖に代わってアスパルテームなどの人工甘味料が使用されます。(人工甘味料の分散 アプリケーション参照)
プロセス
製造フローの中でも初期の工程の一つが甘味シロップの調製です。顆粒状もしくは液状の砂糖が使用されます。液糖は水との混合が比較的容易ですが、顆粒状の砂糖の場合はいくつかのポイントに留意する必要があります:
- 砂糖分の少ないシロップを少量生産する場合は室温で行うことができる。しかし糖分60%以上の濃縮物も少なくなく、この場合、溶解を促進するために水に熱を加える必要がある
- 生産量が多い場合、溶解を促進するために約35℃程度まで温度を上げる必要がある
- 他の粉末材料は一部の砂糖と予備混合(乾式)して、後に粉ダマになったり液中で浮いてしまうのを抑える
課題
- 液糖は顆粒状の砂糖と比べてコストが高い
- 単純な撹拌では顆粒状の砂糖の溶解に時間がかかる
- 従来のアジテーターでは室温で高濃度の砂糖を溶解できない
- 溶解のために熱を加えることは余分なエネルギー消費となる
- 冷却工程は追加コストとなると同時に工程時間が長くなってしまう
- 加熱や冷却によってシロップの結晶化が生じる
- 溶解しきれない固形分が沈殿したり、場合によっては排出口をふさいでしまう可能性がある
ソリューション
シルバーソン ハイシアミキサーは混合時間を大幅に短縮し、また熱を加える必要もありません。
このアプリケーションにはシルバーソンのバッチ型ミキサー、あるいはインライン型ミキサーが適しています。下の原理でプロセスされます:
Stage 1
ローターブレードの高速回転によって強力な吸引が生まれ、液と顆粒状の砂糖がワークヘッド内に引き込まれます。
Stage 2
ローターの生み出す遠心力によって材料がワークヘッドの外側へ押し出され、その際にローターとステーターの間のクリアランス部分で粉砕がかけられます。
Stage 3
溶液はステーターを通して強力に押し出され、同時に新しい材料が連続的にワークヘッド内に引き込まれます。短時間の循環ですべての原材料がワークヘッドを通過し、段階的に砂糖の粒子が小さくなってゆきながら液中で混ぜられ、溶解促進されます。
メリット
- 粒子の細分化と強力な混合によってミキシング工程の時間を大幅に短縮することができる
- 66%程度までのスクロース(蔗糖)シロップは室温で調整が可能
- 多様な能力により顆粒状の砂糖やシロップ状の砂糖でも対応が可能
- シルバーソンミキサーはさらにCMCやキサンタンガムなどの増量剤や安定剤を、従来の方法より大幅に短い時間で分散し、水和させることが可能
インライン型ハイシアミキサー
- 大きな処理量に対応
- 空気の混入がない
- 既存の設備への取り付けが容易
- セルフポンプ効果
- タンクの内容物の移送が可能
- 高サニタリーモデルあり
- 高粘度対応モデルあり